最広義のロックからソウル/R&Bを除いたものをロックとして捉える定義。アメリカではラジオ局がロックとソウル/R&Bで分かれていることや、レコード店の商品陳列がこの定義に従っていることが多い為、もっとも広く浸透している定義である。この定義を採用した場合、ブルー・アイド・ソウルをロックに含めるかソウルに含めるかは人によって考え方が異なる。
狭義のロック(日本で広く浸透している「ロック」)
上記の「広義のロック」から「ポップス」を除いたものをロックとして捉える定義。日本ではこの定義が比較的広く浸透している。
ここで言う「ポップス」は一般に、(1)自作曲中心でない、(2)バンド(ギター、ベース、ドラムスが主となる)という演奏スタイルでない、(3)アーティストの自主性よりもレコード会社の主導性が強いなどの特徴を持つものとされる。
つまりここで言う「ロック」は、
曲を自作
バンドスタイル(ギター、ベース、ドラムスが主流)の演奏
アーティストの自主性で成り立つ
そして、尚かつソウル、R&Bなどではないということである。
この定義の中のロックは、現在では様々な音楽性のものがあるが、どれもその音楽に影響を与えた音楽を辿っていけば、アメリカで生まれたロックンロールの派生やその血を受け継いでいるものであることが分かる。(ロックンロールとは、1950年代黒人音楽と白人音楽の融合により、アメリカでエルヴィス・プレスリーなどアーティストの手により作られたロック音楽の原点)
具体的にどのアーティストがロックでどのアーティストがポップスかは人によって考え方が異なる。尚、ウィキペディア日本語版や各国のウィキペディアにおいて、(特に)日本のロックの定義を狭義のロック、または最狭義のロックで執筆されているケースが横行している為、様々な不具合が生じている。また、ポップスの定義においても様々な評論があり、これもまた、不都合が生じる原因となっている。
最狭義のロック
狭義のロックを、1950年代のものと1960年代以降のものに分け、前者をロックンロール、後者をロックとして捉える定義。特に日本において、ロックをカウンターカルチャーの精神性を伴う音楽として捉える人々の間で広まっている定義である。その中には、ロックを音楽として認識しているケースが少なく、フォークであろうがどんなジャンルであろうが、カウンターカルチャーであればロックといった定義が存在する。が、しかし、その定義に全く当てはまらない最狭義のロックの定義も存在する。つまり、最狭義のロックの定義とは、あまりにも不明瞭な定義である。
尚、この定義とはやや異なるが、1950年代のものだけをロックンロールと呼び、それをロックの中のサブジャンルとして捉える考え方もある。この考え方は、最広義・広義・狭義のいずれの定義に対しても、そのヴァリエーションとして通用する。
ロックの誕生から現在まで
ロックンロール(1950年-1960年)
ロックンロールがいつ誕生したかについては諸説があるが、少なくとも1954年にビル・ヘイリーの “ロック・アラウンド・ザ・クロック” のヒットや、チャック・ベリー、リトル・リチャードの登場によって、ロックンロールはアメリカのポピュラー音楽における一大潮流のひとつとなった。同年にサン・レコードからデビューしたエルヴィス・プレスリーが1956年に大手RCAに移籍して大スターになったことにより、その影響力は決定的なものとなりバディ・ホリー、ロイ・オービソン、エヴァリー・ブラザーズらが続いた。
1959年頃からロックンロールは徐々に洗練化を進める。アーティストによるオリジナル・ソングやブルースのカヴァーを中心としたレパートリーに代わり、ロックンロール向けの新曲を提供する音楽出版社が台頭し、ストリングスなども導入されるようになった。この流れをブリルビルディング・サウンドと呼び、この頃から “ロックンロール” に代わって “ロック” という呼び方が一般化する。
この時期の詳細についてはロックンロール、ロカビリーを参照。また、ロックンロールのルーツ、或いはこの時期以降についてリズム・アンド・ブルース、ブルースも参照。
サーフィン・ホットロッドとリバプール・サウンド(1960年-1964年)
ロックにおいてはサウンドの洗練化がある程度まで進むと、それへの反動としてプリミティヴなパワーを持ったギター・サウンドの復権が起きるという流れが何度か繰り返されている。その最初の例が、ブリルビルディング・サウンドに対するサーフィン・ホットロッド・サウンドの登場である。
ロックはボーカルを中心とするサウンド作りを基本とするが、ロックンロール黎明期からインストルメンタルの作品も存在した。その場合に中心となる楽器はエレクトリックギター、サックス、オルガンなどだが、次第にエレクトリックギターが主役の座に着く傾向が強まった。この傾向は1958年に登場したデュアン・エディと1960年に登場したベンチャーズによって確定的になった。
こうした流れを受けてカリフォルニア州の若者たちの間で1961年頃から流行したのが、サーフィンをしている時の感覚をエレクトリックギターを中心としたインスト音楽で表現したサーフ・ミュージックである。当初はインストであったサーフ・ミュージックにボーカルを付けたのがビーチ・ボーイズである。ビーチ・ボーイズの登場によってサーフ・ミュージックは一挙に全米に広がった。また、間もなく歌詞のテーマはサーフィンだけでなくホットロッド・レース(アマチュアによる公道での自動車レース)にも及んだ為、これらの音楽をサーフィン・ホットロッド・サウンドと呼ぶ。
一方のイギリスでロックンロールの影響は徐々に広がっていった。1950年代のイギリスではスキッフルが流行していたが、スキッフルのミュージシャン達は、次第に自分達のサウンドにロックンロールの要素を取り入れていった。スキッフルと呼ぶよりはロックンロールと呼ぶ方が適切であるようなイギリスの音楽は1958年にデビューしたクリフ・リチャードを源泉とする。そして、1962年に登場したビートルズによってその流れは確実なものとなった。彼らの登場後、次々とフォロワー的なビート系バンドが登場した。その多くがビートルズの出身地であるリバプールのバンドだったため、リバプールサウンド(もしくはリバプールを流れる川の名前からマージー・ビート)と呼ばれている。
ビレッジ ジュレーター ララバイ 幸せの鳥 モノライン ギンヌン オプシン レンズ じゅん ナッパ トマト データ リデュース ピンサロ ブッフェ ニング エンド ちゃうす デンド ドライブ クロマ レトロ シロホン タンタン オーダ キットキ メソポ オフデ スイス デシベル ノニ チョコ ムルデ ジャバ オパール ソワニ カノン カキラン ニズム ロード フィード シュルント ミードテ リニアック たてあな ランナ バギナ パイント ドスキン ヨーデル
ブリティッシュ・インヴェイジョンとフォーク・ロック(1964年-1965年)
1964年、ビートルズはロックンロールの本場であるアメリカへの上陸をはたし、そのサウンドは全米を席巻することになった。ビートルズ以外にも、エリック・バードン率いるアニマルズやローリング・ストーンズ、ザ・フー、キンクスといったイギリスのロックバンドなどがこの時期つぎつぎとアメリカでヒットしたことから、これをブリティッシュ・インヴェイジョン (British Invasion: イギリスの侵略)と呼ぶ。
アメリカでもブリティッシュ・インヴェイジョンの影響を受けて、後にガレージロックと呼ばれるグループが次々と登場し、一部のバンドは成功を収めた。
また、時を同じくしてブリティッシュ・インヴェイジョンの影響を受けたフォーク・グループも次々と登場した。これらのグループの多くは元々はフォークを演奏していた若者たちによって結成されたものであり、彼らの音楽性もフォークからの影響を消化したものだった為、この動きはフォーク・ロックと呼ばれる。フォーク・ロックの代表的アーティストは、ボブ・ディラン、バーズ、タートルズ、ママス&パパス、ボー・ブラメルズ、グラスルーツ、(カントリーロックの範疇かも知れないが)バッファロー・スプリングフィールドなどがある。
ここで大切なのは、アメリカにおいてロックンロールやロカビリー以降死滅していたロックというジャンルがフォーク・ロックをもって復活したことである。それは、ロックがほぼ完全に白人音楽へと移行したという意味合いを含むのかもしれない。また、この時期はカウンターカルチャーとしてのロックが数多く誕生した時期でもある。
サイケデリックとロックの多様化(1966年-1968年)
また、この時期に、その後のロックサウンドを決定付けるギターのフィードバックサウンドやエフェクターの一種であるファズが生まれている。それまでは、真空管アンプによるナチュラルに歪んだ音で演奏されていたものが、よりヘヴィな音で表現可能となった。そこで生まれたジャンルの一つに、クリーム、ジミ・ヘンドリックスに代表される強烈にハードなブルースを演奏するブルースロックがあった。これらはファズより少し遅れて流行したエフェクターであるワウをファズと一緒に使用した。
実験的なサウンド作りという手法は次第に他のアーティストにも波及していった。中でも、音楽によってドラッグで起きるトリップ体験を表現するムーブメントが起こった。その幻惑的なサウンドはサイケデリック・ロックと呼ばれた。ドアーズ、初期ピンク・フロイド、ホークウインドなどが代表格として知られる。これらもテープエコーやチェンバーなどといったエフェクターが鍵だった。楽器では、シタールを用いることが多かった。
実験性とは別に、他のジャンルの要素を取り込む動きも盛んになった。ブルースの影響を消化したブルース・ロック、カントリーとの合体を試みたカントリー・ロックなどである。